专利摘要:
本明細書で開示されているのは、生理環境への曝露の際に酸化窒素(NO)を供与する、生体吸収性の炭素系酸化窒素供与重合体で被覆されるか、あるいはこれを含む移植可能な医療機器である。なし
公开号:JP2011514231A
申请号:JP2011500823
申请日:2009-02-05
公开日:2011-05-06
发明作者:キショア ウディピ;ペイウェン チェン;ミンフェイ チェン
申请人:メドトロニック カルディオ ヴァスキュラー インコーポレイテッド;
IPC主号:A61L29-00
专利说明:

[0001] 本開示は、医療機器を被覆および製造するための酸化窒素(NO)供与重合体に関する。]
背景技術

[0002] 酸化窒素(NO)は、細胞生理において多様かつ複雑な役割を果たす、単純な二原子分子である。25年も経たない以前には、NOは主に、空気と混合した化石燃料の燃焼の最中に生成されるスモッグ成分と考えられていた。しかしながら、Ferid Muradらの先駆的な業績の結果として、NOは、内皮細胞、神経細胞、および大食細胞を含むほとんど全ての組織内で見つかる、有力な信号化合物および細胞毒性薬/細胞増殖抑制薬であるということが現在知られている。哺乳類細胞は、L−アルギニンをN−ω−ヒドロキシ−L−アルギニンに酸化し、その後、L−シトルリンおよび非荷電NO遊離基に転化する、二段階の酵素過程を用いてNOを合成する。3つの異なる酸化窒素シンターゼ酵素は、NO生成を調節する。ニューロン酸化窒素シンターゼ(NOS1、つまりnNOS)は、神経組織の内部で生成され、神経伝達において必須の役割を果たし、内皮酸化窒素シンターゼ(NOS3つまりeNOS)は、内皮細胞によって選択され、血管拡張を誘発し、誘発性酸化窒素シンターゼ(NOS2つまりiNOS)は、大食細胞、肝細胞、および軟骨細胞で主に見つかり、免疫細胞毒性と関連する。]
[0003] ニューロンNOS およびニューロンeNOSは、少量のNOの迅速で短期的な放出を調節する構成酵素である。こうした微量のNOは、順に細胞内のCa2+濃度を増加させる、環状グアノシン一リン酸(cGMP)濃度を上昇させるグアニル酸シクラーゼを活性化する。増加した細胞内のCa2+濃度は、NOの血管拡張効果の原因となる平滑筋弛緩をもたらす。誘発性NOSは、より大量のNOの持続放出に関与し、内毒素およびサイトカインを含む細胞外因子によって活性化される。こうしたより高いNO濃度は、細胞性免疫において重要な役割を果たす。]
[0004] 医学研究により、特に血管手術および介入心臓病学の分野において、NOの治療用途が急速に発見されている。経皮経管冠動脈形成術(PTCA)(バルーン血管形成術としても知られる)、ならびに、粥腫切除術および/またはステント留置術等の、閉塞した動脈を除去するために用いられる処置は、バルーン拡張またはステント配置の部位で血管壁損傷をもたらし得る。この損傷に応じて、再狭窄として知られる複雑な多因子過程が生じ得、それによって、既に開いた血管腔が狭まり、再び閉塞する。損傷部位へ移動する血小板(小板)が分裂促進因子を損傷した内皮へ放出する際に、再狭窄が引き起こされる。血小板は凝集し始め、血栓形成または血塊形成を引き起こす損傷部位に付着する。結果として、血小板および線維素が血管壁に集まるにつれ、既に開いた内腔は狭まり始める。より頻繁に直面する再狭窄作用にて、血管壁に付着する活性化した血小板により分泌された分裂促進因子は、治癒過程の最中に血管平滑筋細胞の過剰増殖を促進し、損傷した血管腔を制限または閉塞する。結果として起こる新生内膜の過形成は、ステント再狭窄の主な原因である。]
[0005] 近年、NOは、血小板の凝集および付着を著しく減少させることが分かっており、NOの直接的な細胞毒性特性/細胞増殖抑制特性と結び付いたこれは、血管平滑筋細胞の過剰増殖を著しく減少させ、再狭窄を防止するのに役立つ。血小板の凝集は初期の血管傷害の直後の数分以内に起こり、再狭窄に繋がる次々と起こる事象が引き起こされる時点で、回復不可能な損傷が生じ得る。その上、血栓形成および再狭窄の危険は、血管腔を覆う内皮が修復されるまで存続する。それ故、NOまたは任意の抗再狭窄剤が直ちに損傷部位に到達することは必須である。]
[0006] 治療濃度のNOを損傷部位に与えるための手法の一つは、全身のNOの濃度を予防的に増加させることである。内因性NOの生成を促進すること、または、外因性NO源を用いることにより、これを達成することができる。内因性NOの放出を調節する方法は主に、L−アルギニンのような過剰量のNO前駆体を用いた合成経路の活性化、または、遺伝子治療を用いた酸化窒素シンターゼ(NOS)の発現を増加させることを重視してきた。米国特許番号(USPN)第5,945,452号、第5,891,459号、および第5,428,070号は、経口投与されるL−アルギニンおよび/またはL−リシンを用いる持続したNO上昇を記載している。しかしながら、これらの方法は、再狭窄を防止する際に効果的であると証明されていない。遺伝子治療の技術を用いて内生的に発現したNOを調節することは、依然として高度に実験的であり、未だ安全かつ効果的であると判明していない。米国特許第5,268,465号、第5,468,630号、および第5,658,565号は、様々な遺伝子治療の手法を記載している。]
[0007] 純粋NO気体等の外因性NO源は、非常に有毒であり、短命であり、かつ生理液に比較的不溶である。その結果として、全身の外因性NOの運搬は一般的に、ニトログリセリン錠剤、静脈用懸濁液、スプレー、および経皮貼布等の有機硝酸塩プロドラッグを用いて達成される。人体はニトログリセリンをNOに迅速に転化するが、プロドラッグを活性化するために必要な酵素濃度および共因子は急速に枯渇し、薬剤耐性をもたらす。その上、全身のNO投与は、低血圧および遊離基細胞損傷を含む甚大な副作用を有し得る。それ故、全身の抗再狭窄の治療血液濃度を維持するために有機硝酸塩プロドラッグを用いることは、現在は可能でない。]
[0008] それ故、全身の予防に関連する不利点を改善する、局部的または部位特異的なNO運搬にかなりの注目が集められている。移植可能な医療機器、および/または、NO放出化合物で被覆した医療機器を含む局部的な遺伝子治療の方法、または、NOS遺伝子を標的細胞へ運搬する媒介物が評価されてきた。その全身の相対物のように、局部的なNO運搬のための遺伝子治療の技術は、安全かつ効果的であると証明されていない。部位特異的なNOS遺伝子の運搬が実現する前に、克服しなければならない重大な技術的障害および安全上の懸念が依然としてある。]
[0009] しかしながら、局部的な外因性NOの応用分野において重大な進歩が為されてきた。再狭窄を防止するのに効果的であるためには、治療濃度で持続時間の間、NO等の阻害治療薬を投与しなければならない。その結果として、再狭窄を治療するために用いられる任意のNO放出医療機器は、移植に適切でなければならない。理想的な候補機器は血管ステントである。それ故、治療効果量のNOを正確な位置へ安全に与えるステントは、再狭窄の治療および防止において重大な進歩を表すだろう。]
[0010] インビボ用途に適切な化合物を放出する酸化窒素が、多数の研究者によって開発されてきた。1960年と早くに、アミン、例えば、ジエチルアミンと酸化窒素気体を反応させ、以下の一般化学式R−R’N−N(O)NOを有するNO放出陰イオンを生成することができるだろうということが立証された。こうした化合物の塩は、溶液中でNOを自発的に分解および放出することができるだろう。]
[0011] 治療薬として有用である、体温で十分な安定性を有する化合物を放出する酸化窒素は、米国特許番号第4,954,526号、第5,039,705号、第5,155,137号、第5,212,204号、第5,250,550号、第5,366,997号、第5,405,919号、第5,525,357号、および第5,650,447号で記載されているように、Keeferらによって最終的に開発され、その全ては本明細書で参照により組み込まれる。]
[0012] しかしながら、NOのインビボ半減期は制限され、NOを目的とする領域へ運搬しにくくなる原因となる。それ故、NOの持続放出を引き起こすことができるNO放出化合物が必要とされる。いくつかの例示的なNO放出化合物は、例えば、NO供与のアスピリン誘導体、亜硝酸アミル、および二硝酸イソソルビドを含むこの目的のために開発されてきた。さらに、制御状態でNOを放出する、NO付加物(例えば、米国特許公開第2006/0008529号および第2004/0037836号を参照されたい)を有する生体適合性重合体が報告されてきた。]
[0013] 第二級アミンは、2つのNO分子を結合させ、それらを水性環境内で放出する能力を有する。2つのNO分子を結合させる能力がある例示的な第二級アミンの一般的構造が、化学式1で以下に描写され、下文でジアゼニウムジオレートと呼ばれる(式中、Mは、対イオンであって、適切な電荷を有する金属、またはプロトンであり得、Rは、有機化学基または無機化学基の一般的表記である)。高圧下でNO気体を取り込む塩基性条件への第二級アミンの曝露は、窒素系ジアゼニウムジオレートの生成に繋がる。]
[0014] ]
[0015] しかしながら、窒素系ジアゼニウムジオレート部分の、発癌性物質かつ刺激物であるニトロソアミンへの考えられる分解が原因で、生体吸収性高分子として窒素系ジアゼニウムジオレート含有重合体を調合することはできない。それ故、窒素系ジアゼニウムジオレートを取り込む、生体吸収性のNO供与重合体が必要とされる。本明細書に記載されているのは、炭素系NO供与重合体である。]
[0016] 本記述は、医療機器を形成および被覆するのに適切な、生体吸収性炭素系ジアゼニウムジオレート(C系)酸化窒素(NO)供与重合体に関する。当該重合体は、ポリエステル骨格およびポリエーテル骨格を有し得、ε−カプロラクトン、ポリエチレングリコール(PEG)、トリメチレンカーボネート、ラクチド、グリコリド、およびそれらの誘導体を含むが、これらに限定されない単量体から成る。構造的完全性および力学的耐久性は、ラクチドおよびグリコリドの使用を通じて与えられる。弾性は、カプロラクトンおよびトリメチレンカーボネートによって与えられる。単量体の比率を変化させることにより、施術者が、C系NO放出重合体の特性を微調整または修正し、物理的特性を制御することが可能になる。当該重合体は、塩基での処理において脱プロトン化する酸性の炭素結合水素を含有し、結果として生じたカルバニオンが、C系ジアゼニウムジオレートを生成する個別のNO分子と反応することを可能にする。当該重合体は、移植可能な医療機器を製造するにも適切であり得る。一実施形態では、医療機器は、生体吸収性生体適合性重合体から製造される。別の実施形態では、当該生体吸収性生体適合性重合体は、医療機器における被覆として与えられる。なお別の実施形態では、薬剤は、当該生体吸収性生体適合性重合体の医療機器または被覆の中に与えられる。]
[0017] 下記式7で表される構造を有する、酸化窒素(NO)を放出する、生体適合性で、生分解性の重合体を含む医療機器が、本明細書に記載されている:]
[0018] ]
[0019] 式中、mは0または1であり;nは0〜10であり;pは0または1であり;oは0〜10であり;mまたはpが0である場合、R1、R2、R5、R6はそれぞれ個別に、水素、C1〜C6アルキル基、ジアゼニウムジオレートである。mまたはpが1である場合、R3、R4、R7、R8は個別に、水素またはジアゼニウムジオレートであり、R1〜R8のうち少なくとも1つはジアゼニウムジオレートでなければならない。一実施形態では、当該重合体は、ε−カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、2−アセチルブチロラクトン、化学式10、4−tert−ブチルカプロラクトン、N−アセチルカプロラクトン、シクロヘキシルカプロラクトン、ラクチド、グリコリド、p−ジオキサノン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、およびリン酸エステルから成る群から選択される単量体を含む。]
[0020] 一実施形態では、当該ジアゼニウムジオレート基は、ナトリウム、カリウム、プロトン、およびリチウムから成る群から選択される対イオンによってさらに安定化する。]
[0021] 一実施形態では、当該医療機器は移植可能であり、血管ステント、シャント、血管移植片、ステント移植片、心臓弁、カテーテル、ペースメーカー、ペースメーカーリード、胆管ステント、および除細動器から成る群から選択される。]
[0022] 一実施形態では、当該重合体は、抗増殖剤、エストロゲン、シャペロン阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤、レプトマイシンB、ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体ガンマリガンド(PPARγ)、ハイポセマイシン、酸化窒素、ビスフォスフォネート、上皮成長因子阻害剤、抗体、プロテアソーム阻害剤、抗生物質、抗炎症剤、アンチセンスヌクレオチド、および形質転換核酸から成る群から選択される、少なくとも1つの薬剤をさらに含む。]
[0023] 一実施形態では、当該生分解性重合体は、下記式8aで表される構造を有する化合物を含む:]
[0024] ]
[0025] (式中、aは1〜約20,000の整数であり;bは約1〜約100の整数であり;aおよびbの合計は少なくとも2であり;A1〜A5は個別に、水素、C1〜C6アルキル基、またはジアゼニウムジオレート基であり、A1〜A5のうち少なくとも1つはジアゼニウムジオレートでなければならない。]
[0026] 別の実施形態では、当該生分解性重合体は、下記式9aで表される構造を有する化合物を含む:]
[0027] ]
[0028] 式中、aは1〜約20,000の整数であり;bは約1〜約100の整数であり;aおよびbの合計は少なくとも2であり;A1〜A6は個別に、水素、C1〜C6アルキル基、またはジアゼニウムジオレート基であり、A1〜A6のうち少なくとも1つはジアゼニウムジオレートでなければならない。]
[0029] 一実施形態では、当該生分解性重合体は、下記式10aで表される構造を有する化合物を含む:]
[0030] ]
[0031] 式中、aは1〜約20,000の整数であり;A1〜A4は個別に、水素、C1〜C6アルキル基またはジアゼニウムジオレート基であり;A1〜A4のうち少なくとも1つはジアゼニウムジオレートでなければならない。]
[0032] 一実施形態では、当該生分解性重合体は、下記式11aで表される構造を有する化合物を含む:]
[0033] ]
[0034] 式中、aは1〜約20,000の整数であり;bは約1〜約100の整数であり;aおよびbの合計は少なくとも2であり;A1〜A5は個別に、水素、C1〜C6アルキル基、またはジアゼニウムジオレート基であり、A1〜A5のうち少なくとも1つはジアゼニウムジオレートでなければならない。]
[0035] 一実施形態では、当該生分解性重合体は、下記式12aで表される構造を有する化合物を含む:]
[0036] ]
[0037] 式中、aは1〜約20,000の整数であり;A1〜A4は個別に、水素、C1〜C6アルキル基、またはジアゼニウムジオレート基であり、A1〜A4のうち少なくとも1つはジアゼニウムジオレートでなければならない。]
[0038] 一実施形態では、当該生分解性重合体は、下記式13aで表される構造を有する化合物を含む:]
[0039] ]
[0040] 式中、aは1〜約20,000の整数であり;bは約1〜約100の整数であり;aおよびbの合計は少なくとも2であり;A1〜A6は個別に、水素、C1〜C6アルキル基、またはジアゼニウムジオレート基であり、A1〜A6のうち少なくとも1つはジアゼニウムジオレートでなければならない。]
[0041] 一実施形態では、カルボニル基に隣接する炭素に結合した少なくとも1つのジアゼニウムジオレート基を有する、酸化窒素(NO)を放出する、生体適合性で、生分解性の重合体を含む医療機器が記載されている。別の実施形態では、当該重合体は、ε−カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、2−アセチルブチロラクトン、化学式10、4−tert−ブチルカプロラクトン、N−アセチルカプロラクトン、シクロヘキシルカプロラクトン、ラクチド、グリコリド、p−ジオキサノン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、およびリン酸エステルから成る群から選択される単量体を含む。別の実施形態では、当該ジアゼニウムジオレート基は、ナトリウム、カリウム、プロトン、およびリチウムから成る群から選択される対イオンによってさらに安定化する。]
[0042] 一実施形態では、当該医療機器は移植可能であり、血管ステント、シャント、血管移植片、ステント移植片、心臓弁、カテーテル、ペースメーカー、ペースメーカーリード、胆管ステント、および除細動器から成る群から選択される。]
[0043] 一実施形態では、当該重合体は、抗増殖剤、エストロゲン、シャペロン阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤、レプトマイシンB、ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体ガンマリガンド(PPARγ)、ハイポセマイシン、酸化窒素、ビスフォスフォネート、上皮成長因子阻害剤、抗体、プロテアソーム阻害剤、抗生物質、抗炎症剤、アンチセンスヌクレオチド、および形質転換核酸から成る群から選択される、少なくとも1つの薬剤をさらに含む。]
[0044] 一実施形態では、当該生分解性重合体は、下記式8aで表される構造を有する化合物を含む:]
[0045] ]
[0046] 式中、aは1〜約20,000の整数であり;bは約1〜約100の整数であり;aおよびbの合計は少なくとも2であり;A1〜A5は個別に、水素、C1〜C6アルキル基、またはジアゼニウムジオレート基であり、A1〜A5のうち少なくとも1つはジアゼニウムジオレートでなければならない。]
[0047] 一実施形態では、当該生分解性重合体は下記式9aで表される構造を有する化合物を含む:]
[0048] ]
[0049] 式中、aは1〜約20,000の整数であり;bは約1〜約100の整数であり;aおよびbの合計は少なくとも2であり;A1〜A6は個別に、水素、C1〜C6アルキル基、またはジアゼニウムジオレート基であり、A1〜A6のうち少なくとも1つはジアゼニウムジオレートでなければならない。]
[0050] 一実施形態では、当該生分解性重合体は、下記式10aで表される構造を有する化合物を含む:]
[0051] ]
[0052] 式中、aは1〜約20,000の整数であり;A1〜A4は個別に、水素、C1〜C6アルキル基、またはジアゼニウムジオレート基であり、A1〜A4のうち少なくとも1つはジアゼニウムジオレートでなければならない。]
[0053] 一実施形態では、当該生分解性重合体は、下記式11aで表される構造を有する化合物を含む:]
[0054] ]
[0055] 式中、aは1〜約20,000の整数であり;bは約1〜約100の整数であり;aおよびbの合計は少なくとも2であり;A1〜A5は個別に、水素、C1〜C6アルキル基、またはジアゼニウムジオレート基であり、A1〜A5のうち少なくとも1つはジアゼニウムジオレートでなければならない。]
[0056] 一実施形態では、当該生分解性重合体は、下記式12aで表される構造を有するを含む:]
[0057] ]
[0058] 式中、aは1〜約20,000の整数であり;A1〜A4は個別に、水素、C1〜C6アルキル基、またはジアゼニウムジオレート基であり、A1〜A4のうち少なくとも1つはジアゼニウムジオレートでなければならない。]
[0059] 一実施形態では、当該生分解性重合体は、下記式13aで表される構造を有するを含む:]
[0060] ]
[0061] 式中、aは1〜約20,000の整数であり;bは約1〜約100の整数であり;aおよびbの合計は少なくとも2であり;A1〜A6は個別に、水素、C1〜C6アルキル基、またはジアゼニウムジオレート基であり、A1〜A6のうち少なくとも1つはジアゼニウムジオレートでなければならない。]
[0062] 一実施形態では、下記式7で表される構造をさらに含む、カルボニル基に隣接する炭素に結合した少なくとも1つのジアゼニウムジオレート基を有する、NO放出の、生体適合性で、生分解性の重合体を含む血管ステントが記載されている:]
[0063] ]
[0064] 式中、mは0または1であり;nは0〜10であり;pは0または1であり;oは0〜10であり;mまたはpが0である場合、R1、R2、R5、R6はそれぞれ個別に、水素、C1〜C6アルキル基、ジアゼニウムジオレートである。mまたはpが1である場合、R3、R4、R7、R8は個別に、水素またはジアゼニウムジオレートであり、R1〜R8のうち少なくとも1つはジアゼニウムジオレートでなければならず、前記生分解性の重合体はゾタロリムスをさらに含む。]
[0065] 用語の定義
本発明を説明する前に、下文で用いられる特定の用語の定義を説明することが本発明の理解に役立ち得る。]
[0066] ラクチド:本明細書で用いられるラクチドは、3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン(化学式2)を指す。より一般的に、ラクチドは、乳酸のR型およびS型の複素二量体、乳酸のS型のホモ二量体、および乳酸のR型のホモ二量体とも本明細書で呼ばれる。乳酸とラクチドは、本明細書で相互交換可能に用いられる。二量体という用語は、当業者に十分に知られている。]
[0067] ]
[0068] グリコリド:本明細書で用いられるグリコリドは、下記式3で表される分子を指す。]
[0069] ]
[0070] 4−tert−ブチルカプロラクトン:本明細書で用いられる4−tert−ブチルカプロラクトンは、下記式4で表される分子を指す。]
[0071] ]
[0072] N−アセチルカプロラクトン:本明細書で用いられるN−アセチルカプロラクトンは、下記式5で表される分子を指す。]
[0073] ]
[0074] 骨格:本明細書で用いられる「骨格」は、重合体または共重合体の主鎖を指す。本明細書で用いられる「ポリエステル骨格」は、エステル結合を含む生体吸収性重合体の主鎖を指す。本明細書で用いられる「ポリエーテル骨格」は、エーテル結合を含む生体吸収性重合体の主鎖を指す。例示的なポリエーテルは、ポリエチレングリコール(PEG)である。]
[0075] 生体吸収性(の):本明細書で用いられる「生体吸収性(の)」は、生体適合性であり、かつ、通常の生化学的経路の作用を通じてインビボで分解される重合性組成物を指す。時々、生体吸収性(の)と生分解性(の)は相互交換可能に用いられる場合があるが、それらは同延でない。生分解性重合体は周辺組織に再吸収される場合もされない場合もあるが、全ての生体吸収性重合体は生分解性であると考えられる。]
[0076] 生体適合性(の):本明細書で用いられる「生体適合性(の)」は、動物の組織と密接して配置される際に、動物に損傷または死亡を引き起こすことも、動物の体内で有害反応を誘発することもない、任意の材料を意味するものとする。有害反応としては、炎症、感染症、線維性組織形成、細胞死、または血栓症が挙げられる。]
[0077] 共重合体:本明細書で用いられる「共重合体」は、単量体等の、2つ以上の異種部分の同時重合または段階的重合により生成された高分子と定義される。共重合体としては、二元重合体(2つの異種部分)、三元重合体(3つの異種部分)などが挙げられるものとする。]
[0078] 制御放出:本明細書で用いられる「制御放出」は、所定の速度における医療機器表面からの生物活性化合物の放出を指す。制御放出は、生物活性化合物が、明らかにそのようにするように意図されない限り、医療機器表面から散発的に予測不能な形で剥れず、生物学的環境(本明細書では一次速度則とも呼ばれる)に接する機器から「破裂」しないことを暗示する。しかしながら、本明細書で用いられる用語「制御放出」は、配置に関連する「破裂現象」を除外しない。いくつかの実施形態では、薬剤の初期破裂は望ましく、その後のより緩やかな放出に続く場合がある。放出速度は、薬剤が一様な量で所定の時間にわたって(初期破裂段階の有無にかかわらず)放出される定常状態(「時限放出」または零次速度則と一般的に呼ばれる)であるか、あるいは勾配放出であり得る。勾配放出は、機器表面から放出された薬剤の濃度が時間とともに変化することを暗示する。]
[0079] 薬剤:本明細書で用いられる「薬剤」としては、動物の体内で治療効果を有する、任意の生物活性剤、薬剤化合物、または薬剤分子が挙げられるものとする。例示的で限定されない例としては、FKBP12結合化合物を含むマクロライド抗生物質を含むが、これに限定されない抗増殖剤、エストロゲン、シャペロン阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤、レプトマイシンB、ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体ガンマリガンド(PPARγ)、ハイポセマイシン、酸化窒素、ビスフォスフォネート、上皮成長因子阻害剤、抗体、プロテアソーム阻害剤、抗生物質、抗炎症剤、アンチセンスヌクレオチド、および形質転換核酸が挙げられる。薬剤としては、細胞増殖抑制化合物、化学療法剤、鎮痛剤、スタチン、核酸、ポリペプチド、成長因子、ならびに、組み換え微生物およびリポソームを含むが、これらに限定されない媒介物も挙げることができる。]
[0080] 例示的なFKBP12結合化合物としては、シロリムス(ラパマイシン)、タクロリムス(FK506)、エヴェロリムス(certican(登録商標)、つまりRAD−001)、テムシロリムス(CCI−779、つまり、3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピオン酸を有する非晶質ラパマイシン42−エステル)、およびゾタロリムス(ABT−578)が挙げられる。さらに、他のラパマイシンヒドロキシエステルは、重合体と併用して用いられてよい。]
[0081] 延性:本明細書で用いられる「延性、または延性の」は、使用温度で折り曲げられ、応力を加えられ、または引っ張られる際の、破砕または熱分解に対する重合体の耐性を特徴とする重合体の特質である。重合体被覆組成物に関して用いられる場合、被覆のための通常使用温度は、室温と体温との間、または、およそ15〜40℃の間である。定義された環境内での重合体の延性はしばしば、その弾性/延性の関数である。]
[0082] 官能性側鎖:本明細書で用いられる「官能性側鎖」は、典型的に第2の化学成分に結合する能力がある1つまたは複数の第1の化学成分を包含し、当該第1の化学成分は、当該第2の化学成分の化学的特性または物理的特性を修正する。官能性側鎖に関連する官能基としては、ビニル基、ヒドロキシル基、オキソ基、カルボキシル基、チオール基、アミノ基、リン酸基、および、当業者に知られており、かつ本明細書と特許請求の範囲に描写されているような他の基が挙げられる。]
[0083] ガラス転移温度(Tg):本明細書で用いられるガラス転移温度(Tg)は、重合体が、弾性で柔軟な状態から剛性で脆弱な状態へ構造的に転移する温度を指す。]
[0084] 親水性(の):生物活性剤に関して本明細書で用いられる用語「親水性(の)」は、1ml当たり200μg超過の水の中で溶解性を有する生物活性剤を指す。]
[0085] 疎水性(の):生物活性剤に関して本明細書で用いられる用語「疎水性(の)」は、1ml当たりわずか200μgの水の中で溶解性を有する生物活性剤を指す。]
[0086] Mn:本明細書で用いられるMnは、数平均分子量を指す。数学的には、それは以下の公式によって表される:
Mn=ΣiNiMi/ΣiNi、式中、Niは重量がMiである分子の数である。]
[0087] Mw:本明細書で用いられるMwは、所定の重合体が有し得る平均重量である重量平均分子量を指す。数学的には、それは以下の公式によって表される:
Mn=ΣiNiMi2/ΣiNiMi、式中、Niは重量がMiである分子の数である。]
実施例

[0088] 本明細書で開示されているのは、医療機器を形成および被覆するのに適切な、生体吸収性炭素系(C系)酸化窒素(NO)供与重合体である。当該重合体は、ポリエステル骨格およびポリエーテル骨格を有し得、親水性単量体および疎水性単量体から成る場合がある。]
[0089] 本明細書で用いられる用語「炭素系」および「C系」は、NO供与基、ジアゼニウムジオレートが炭素原子に結合する化学式6の一般的構造を有する分子を指す。ジアゼニウムジオレート基を結合する炭素原子は、カルボニル炭素に隣接するアルファ炭素である。カルボニル基を重合体骨格に組み込むことができ、カルボニル基は、重合体骨格に結合したペンダント基上に存在し得るか、あるいは、重合体合成の生成物として存在し得る。]
[0090] カルボニル基は、1つまたは複数のアルファ炭素の酸性度を増加させ、脱プロトン化およびジアゼニウムジオレート化を可能にする。化学式6では、Mは、リチウム、ナトリウム、カリウム、およびプロトンを含むが、これらに限定されない対イオンであり得、炭素は、ペンダント基または重合体骨格自体の何れかの上にあるアルファ炭素である。対イオンの目的は、ジアゼニウムジオレート基を安定化させることである。]
[0091] ]
[0092] 当該重合体骨格は、ε−カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、ラクチド、グリコリド、p−ジオキサノン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、リン酸エステル、および、環式ケトンから合成されるそれらの誘導体を含むが、これらに限定されない単量体、ならびに、無水物部分とオルトエステル部分を有するそれらの共重合体を含む。他の有用なカプロラクトン単量体としては、4−tert−ブチルカプロラクトン、N−アセチルカプロラクトン、およびシクロヘキシルカプロラクトンが挙げられるが、これらに限定されない。]
[0093] ジアゼニウムジオレート化した重合体の一般的構造は、下記式7にあらわされている。]
[0094] ]
[0095] 式7において、mは0または1であって、nは0〜10であって、pは0または1であって、oは0〜10であって、mまたはpが0である場合、R1、R2、R5、R6はそれぞれ個別に、水素、C1〜C6アルキル基、ジアゼニウムジオレートである。mまたはpが1である場合、R3、R4、R7、R8は個別に、水素またはジアゼニウムジオレートであり、R1〜R8のうち少なくとも1つはジアゼニウムジオレートでなければならない。]
[0096] 重合体のジアゼニウムジオレート化を促進するために、アセチル基のプロトン等の、しかしこれに限定されない、十分に酸性のプロトンを重合体に組み込むことができる。重合体内で炭素結合したプロトンの酸性度を増加させる官能基としては、ケトン、スルホン、エステル、ニトリル、電子吸引アリール基、硝酸塩、およびスルフォキシドが挙げられるが、これらに限定されない。カルバニオンを発生させるために用いられる塩基としては、カリウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、セシウムメトキシド、リチウムメトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、セシウムエトキシド、リチウムエトキシド、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム、水酸化リチウム、およびナトリウムトリメチルシラノレートが挙げられるが、これらに限定されない。]
[0097] 当該単量体は、市販であるか、あるいは、十分に知られている合成変換で合成されるかの何れかである。例えば、シクロヘキサノン誘導体は、ペルオキシドで処理され、その後重合反応で単量体として用いられるラクトンを(バイヤー・ビリガー酸化反応を通じて)生成する。他の環式ケトンおよび環式ケトン誘導体としては、3〜12個の環炭素を有する炭素環式ケトン、3〜12個の環炭素を有する単一置換および多置換の炭素環式ケトン、3〜12個の環炭素を有する複素環式ケトン、および、3〜12個の環炭素を有する単一置換および多置換の複素環式ケトンが挙げられるが、これらに限定されない。環上の置換基としては、6〜12個の炭素を有する置換または非置換のアリール基、少なくとも1個の炭素を有する炭化水素、酸形成基を有する炭化水素、酸形成基を有するアリール基、および、複素原子置換アリールと炭化水素置換基が挙げられるが、これらに限定されない。上記の複素環内に組み込まれる複素原子としては、窒素、リン、硫黄、および酸素が挙げられるが、これらに限定されない。]
[0098] 一実施形態では、2−アセチルブチロラクトンは、ジオール開始の開環重合反応においてラクチドと重合され、化学式8の重合体を生成する。こうした単量体は、限定されない例において、エチルヘキサン酸スズ(II)、テトラキスSn(IV)アルコキシド、環式スズアルコキシド、アルミニウムプロポキシド、乳酸亜鉛、オクタン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、酢酸グアニジン、有機ランタニド等の触媒としても用いられる他の有機金属化合物、リパーゼ等の酵素触媒等の、しかしこれらに限定されない触媒の存在下で重合される。ジオールとしてはPEGが挙げられるが、これに限定されない。本明細書で記載されているように、化学式8によって表される重合体をジアゼニウムジオレート化することができる。]
[0099] ]
[0100] 一実施形態では、化学式8のa部分およびb部分は、個別に1〜20,000の範囲の整数である。さらなる実施形態では、aは、10〜20,000の範囲の整数、50〜15,000の範囲の整数、100〜10,000の範囲の整数、200〜5,000の範囲の整数、500〜4,000の範囲の整数、700〜3,000の範囲の整数、または1,000〜2,000の範囲の整数である。さらなる実施形態では、bは、10〜20,000の範囲の整数、50〜15,000の範囲の整数、100〜10,000の範囲の整数、200〜5,000の範囲の整数、500〜4,000の範囲の整数、700〜3,000の範囲の整数、または1,000〜2,000の範囲の整数である。]
[0101] 化学式8の重合体は、ジアゼニウムジオレート化されて化学式8aの重合体を生成し、式中、A1〜A5は、ジアゼニウムジオレート化することができるアルファ炭素上の位置を表し、aは1〜約20,000の整数であって、bは約1〜約100の整数であって、aとbの合計は少なくとも2である。A1〜A5のうち少なくとも1つは、ジアゼニウムジオレート化されなければならない。]
[0102] ]
[0103] 別の実施形態では、2−アセチルブチロラクトンとグリコリドの単量体を有する、C系NO供与重合体が生成される。これらの単量体で生成される例示的な重合体は、化学式9の一般的構造を有する:]
[0104] ]
[0105] 一実施形態では、化学式9のa部分およびb部分は、1〜20,000の範囲の整数である。さらなる実施形態では、aは、10〜20,000の範囲の整数、50〜15,000の範囲の整数、100〜10,000の範囲の整数、200〜5,000の範囲の整数、500〜4,000の範囲の整数、700〜3,000の範囲の整数、または1,000〜2,000の範囲の整数である。さらなる実施形態では、bは、10〜20,000の範囲の整数、50〜15,000の範囲の整数、100〜10,000の範囲の整数、200〜5,000の範囲の整数、500〜4,000の範囲の整数、700〜3,000の範囲の整数、または1,000〜2,000の範囲の整数である。]
[0106] ]
[0107] 化学式9の重合体は、ジアゼニウムジオレート化されて化学式9aの重合体を生成し、式中、A1〜A6は、ジアゼニウムジオレート化することができるアルファ炭素上の位置を表し、aは1〜約20,000の整数であって、bは約1〜約100の整数であって、aとbの合計は少なくとも2である。A1〜A6のうち少なくとも1つは、ジアゼニウムジオレート化されなければならない。]
[0108] 別の実施形態では、2−アセチルブチロラクトンの単量体を含む、C系NO供与単独重合体が生成される。2−アセチルブチロラクトンで生成される例示的な重合体は、化学式10の一般的構造を有する:]
[0109] ]
[0110] 一実施形態では、化学式10のa部分は、1〜20,000の範囲の整数である。さらなる実施形態では、aは、10〜20,000の範囲の整数、50〜15,000の範囲の整数、100〜10,000の範囲の整数、200〜5,000の範囲の整数、500〜4,000の範囲の整数、700〜3,000の範囲の整数、または1,000〜2,000の範囲の整数である。]
[0111] 化学式10の重合体は、ジアゼニウムジオレート化されて化学式10aの重合体を生成し、式中、A1〜A4は、ジアゼニウムジオレート化することができるアルファ炭素上の位置を表し、aは1〜約20,000の整数である。A1〜A4のうち少なくとも1つは、ジアゼニウムジオレート化されなければならない。]
[0112] ]
[0113] 他のアセチルを有する単量体を合成し、その後重合することができる。一実施形態では、バイヤー・ビリガー反応が、4〜12個の範囲の環大を有するラクトンを生成するために用いられる。こうしたラクトンはその後、開環重合反応を通じて重合され、C系NO供与重合体を生成する。一実施形態では、バイヤー・ビリガー反応が、2−アセチルシクロヘキサノンで開始され、化学式10のカプロラクトンを生成する。]
[0114] ]
[0115] 一実施形態では、C系NO供与重合体は、ジオール開始の開環重合反応にて2−アセチルカプロラクトンをラクチドと重合させることにより合成され、化学式11の重合体を生成する。これらの単量体は、エチルヘキサン酸スズ(II)触媒、およびPEG等のジオールの存在下で重合される。]
[0116] ]
[0117] 一実施形態では、化学式11のa部分およびb部分は、1〜20,000の範囲の整数である。さらなる実施形態では、aは、10〜20,000の範囲の整数、50〜15,000の範囲の整数、100〜10,000の範囲の整数、200〜5,000の範囲の整数、500〜4,000の範囲の整数、700〜3,000の範囲の整数、または1,000〜2,000の範囲の整数である。さらなる実施形態では、bは、10〜20,000の範囲の整数、50〜15,000の範囲の整数、100〜10,000の範囲の整数、200〜5,000の範囲の整数、500〜4,000の範囲の整数、700〜3,000の範囲の整数、または1,000〜2,000の範囲の整数である。]
[0118] 化学式11の重合体は、ジアゼニウムジオレート化されて化学式11aの重合体を生成し、式中、A1〜A5は、ジアゼニウムジオレート化することができるアルファ炭素上の位置を表し、aは1〜約20,000の整数であって、bは約1〜約100の整数であって、aとbの合計は少なくとも2である。A1〜A5のうち少なくとも1つは、ジアゼニウムジオレート化されなければならない。]
[0119] ]
[0120] 別の実施形態では、2−アセチルカプロラクトンの単量体を含む、C系NO供与単独重合体が生成される。2−アセチルカプロラクトンで生成される例示的な重合体は、下記式12で表される構造を有する:]
[0121] ]
[0122] 一実施形態では、化学式12のa部分は、1〜20,000の範囲の整数である。さらなる実施形態では、aは、10〜20,000の範囲の整数、50〜15,000の範囲の整数、100〜10,000の範囲の整数、200〜5,000の範囲の整数、500〜4,000の範囲の整数、700〜3,000の範囲の整数、または1,000〜2,000の範囲の整数である。]
[0123] 化学式12の重合体は、ジアゼニウムジオレート化されて化学式12aの重合体を生成し、式中、A1〜A4は、ジアゼニウムジオレート化することができるアルファ炭素上の位置を表し、aは1〜約20,000の整数である。A1〜A4のうち少なくとも1つは、ジアゼニウムジオレート化されなければならない。]
[0124] ]
[0125] 別の実施形態では、2−アセチルカプロラクトンとグリコリドを含む単量体を有する、C系NO供与重合体が生成される。これらの単量体で生成される例示的な重合体は、下記式13で表される構造を有する:]
[0126] ]
[0127] 一実施形態では、化学式13のa部分およびb部分は、1〜20,000の範囲の整数である。さらなる実施形態では、aは、10〜20,000の範囲の整数、50〜15,000の範囲の整数、100〜10,000の範囲の整数、200〜5,000の範囲の整数、500〜4,000の範囲の整数、700〜3,000の範囲の整数、または1,000〜2,000の範囲の整数である。さらなる実施形態では、bは、10〜20,000の範囲の整数、50〜15,000の範囲の整数、100〜10,000の範囲の整数、200〜5,000の範囲の整数、500〜4,000の範囲の整数、700〜3,000の範囲の整数、または1,000〜2,000の範囲の整数である。]
[0128] 化学式13の重合体は、ジアゼニウムジオレート化されて化学式13aの重合体を生成し、式中、A1〜A6は、ジアゼニウムジオレート化することができるアルファ炭素上の位置を表し、aは1〜約20,000の整数であって、bは約1〜約100の整数であって、aとbの合計は少なくとも2である。A1〜A6のうち少なくとも1つは、ジアゼニウムジオレート化されなければならない。]
[0129] ]
[0130] 生体吸収性のC系NO供与重合体の特性は、温度、溶媒選択、反応時間、および触媒選択を含むが、これらに限定されない、その合成において用いられる単量体と使用される反応条件の結果である。]
[0131] 単量体の比率を変えることで、当業者が、重合体の特性を微調整または修正することが可能になる。生体吸収性のC系NO供与重合体の特性は、温度、溶媒、反応時間、および触媒選択を含むが、これらに限定されない、その合成において用いられる単量体と使用される反応条件に起因する。]
[0132] 生体吸収性のC系NO供与重合体のガラス転移温度(Tg)を微調整すること、または調整することも考慮に入れられる。重合体からの薬剤溶出は、密度、溶出される薬剤、重合体の分子組成物、およびTgを含む多くの要因に依存する。より高いTg、例えば40℃超過の温度では、より脆弱な重合体が生じ、一方で、より低いTg、例えば40℃より低い温度では、より軟性かつ弾性の重合体がより高温で生じる。薬剤溶出は、高いTgを有する重合体からは遅く、一方で、より高速の薬剤溶出は、低いTgを有する重合体とともに観測される。一実施形態では、重合体のTgは、37℃より低くなるように選択される。]
[0133] 一実施形態では、医療機器を形成および被覆するために、当該重合体を用いることができる。比較的高いTgを有する被覆重合体は、不適切な薬剤溶出特性ならびに望ましくない脆弱性を有する医療機器をもたらす場合がある。重合体被覆血管ステントの場合では、被覆重合体における比較的低いTgが、血管ステントの配置に影響する。例えば、低いTgを有する重合体被覆は、”粘着性”であり、配置の最中に血管ステントを拡張するために用いられるバルーンに付着し、ステントの配置についての問題を引き起こす。しかしながら、低いTgの重合体は、低いTgを有する重合体が、より高いTgを有する重合体よりも、所定の温度でより弾性であるという点において有益な特徴を有する。重合体被覆血管ステントを拡張および収縮させることにより、その被覆に力学的に応力を加える。被覆が脆弱すぎる場合、すなわち、比較的高いTgを有する場合、その時、裂け目により、ことによるとその被覆を使用不可能にする被覆が生じる場合がある。被覆が弾性である場合、すなわち、比較的低いTgを有する場合、その時、その被覆によって経験される応力は、その被覆の構造的完全性を力学的に改変する可能性が低くなる。それ故、単量体組成物と合成条件の組み合わせにより、適正な被覆用途のために重合体のTgを微調整することができる。当該重合体は、施術者が所望の機能のために適正な重合体を選択することを可能にする、調節可能な物理的特性を有するように設計される。]
[0134] 当該重合体を調整または修正するために、Tg、結合性、分子量、および熱的特性を含むが、これらに限定されない様々な特性が考慮される。]
[0135] 生理環境に曝露された時点で、当該C系NO供与重合体はNOを供与する。適正な単量体の比率とジアゼニウムジオレートの陽対イオンを選択することにより、重合体からのNO放出の速度を微調整することができる。]
[0136] 移植可能な医療機器を含む医療機器は、本明細書で開示されている重合体で製作および/または被覆され、従って、重合体の物理的特性が、手近な特定の用途に鑑みて考慮される。その目的とする用途のために重合体が最適に機能することができるように、重合体の物理的特性を微調整することができる。微調整することができる特性としては、Tg、分子量(MnとMwの両方)、多分散性指数(PDI、Mw/Mnの商)、弾性度、および両親媒性度が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、当該重合体のTgは約−10〜約85℃に及ぶ。さらに別の実施形態では、当該重合体のPDIは約1.35〜約4に及ぶ。別の実施形態では、当該重合体のTgは約0〜約40℃に及ぶ。さらに別の実施形態では、当該重合体のPDIは約1.5〜約2.5に及ぶ。]
[0137] 当該C系NO供与重合体で被覆するのに適切な、移植可能な医療機器としては、血管ステント、ステント移植片、尿道ステント、胆管ステント、カテーテル、ガイドワイヤー、ペースメーカーリード、骨ネジ、縫糸、および補綴心臓弁が挙げられるが、これらに限定されない。当該重合体は、移植可能な医療機器を製作するのに適切である。当該C系NO供与重合体から製造することができる医療機器としては、血管ステント、ステント移植片、尿道ステント、胆管ステント、カテーテル、ガイドワイヤー、ペースメーカーリード、骨ネジ、縫糸、および補綴心臓弁が挙げられるが、これらに限定されない。]
[0138] 当該重合体被覆は、血流力学環境内に配置される医療機器を対象としており、優れた付着特性を有する。つまり、当該被覆を医療機器表面に安定して結合しなければならない。当該移植可能な医療機器を製作するために、ステンレス鋼、ニチノール、アルミニウム、クロム、チタン、金、コバルト、セラミック、および幅広い合成重合体材料、ならびに、コラーゲン、線維素、および植物繊維を含むが、これらに限定されない天然材料を含むが、これらに限定されない、多くの様々な材料を用いることができる。本明細書に記載されている重合体被覆とともに、これらの材料の全て、および他の材料を用いてよい。さらに、完全な医療機器を製作するために、当該重合体を用いることができる。]
[0139] 重合体が表面に如何に付着するかについての我々の理解を説明しようと試みるか、あるいはそれに貢献する多くの理論がある。最も重要な力としては、静電結合と水素結合が挙げられる。しかしながら、湿潤性、吸収、および弾力性を含む他の要因も、重合体が異なる表面に如何に良好に付着するかを決定する。それ故、重合体系被覆またはプライマーは、より均一な被覆表面を創出するためにしばしば用いられる。]
[0140] 当業者に知られている任意の方法で、当該C系NO供与重合体被覆を、医療機器表面が準備刺激されても露出しても、医療機器表面に塗布することができる。塗布方法としては、噴霧法、含浸法、ブラッシング法、真空蒸着法、静電噴霧被覆法、プラズマ被覆法、回転被覆法、電気化学的被覆法、および他の方法が挙げられるが、これらに限定されない。]
[0141] さらに、当該C系NO供与重合体被覆を、冠被覆とともに用いてよい。本明細書で用いられる冠被覆は、別の被覆の全体にわたって塗布された最外被覆層を指す。C系NO供与重合体被覆は、プライマー被覆の全体にわたって塗布される。その後、重合体冠被覆は、当該NO供与重合体被覆の全体にわたって塗布される。当該冠被覆は、NO放出を制御する拡散障壁として随意的に作用し得る。当該冠被覆は、ステントを保護するステントの表面に塗布された単に生体適合性の重合体であり、NOの放出速度に全く影響を及ぼさない場合がある。]
[0142] 当該C系NO供与重合体は、薬剤の運搬および制御放出にも有用である。当該重合体からの放出に適切な薬剤としては、抗増殖性化合物、細胞増殖抑制性化合物、毒性化合物、抗炎症性化合物、化学療法剤、鎮痛剤、抗生物質、プロテアーゼ阻害剤、スタチン、核酸、ポリペプチド、成長因子、ならびに、組み換え微生物、リポソーム、および同様のものを含む運搬媒介物が挙げられるが、これらに限定されない。]
[0143] 一実施形態では、制御可能に放出される薬剤としては、FKBP−12結合剤を含むマクロライド抗生物質が挙げられるが、これに限定されない。この種類の例示的な薬剤としては、シロリムス(ラパマイシン)、タクロリムス(FK506)、エヴェロリムス(certican(登録商標)、つまりRAD−001)、テムシロリムス(CCI−779、つまり、米国特許出願整理番号第10/930,487号で開示されているような、3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピオン酸を有する非晶質ラパマイシン42−エステル)、およびゾタロリムス(ABT−578、米国特許番号第6,015,815号および第6,329,386号を参照されたい)が挙げられる。さらに、米国特許番号第5,362,718号で開示されているような他のラパマイシンヒドロキシエステルを、当該重合体と組み合わせて用いてよい。先行特許および先行特許出願の全ての全体の内容は、当該先行特許および先行特許出願が、FKBP−12結合化合物およびその誘導体に関連すると教示する全てのものに対して、本明細書で参照することにより盛り込まれる。]
[0144] 実施例
以下の限定されない例は、本発明の教示による例示的重合体の合成のための方法を提供する。]
[0145] 実施例1
化学式8の重合体の合成
反応容器に、約3,500の分子量を有するポリエチレングリコール(PEG)(1.3g、約0.4mmol)、2−アセチルブチロラクトン(19g、150mmol)、DL−ラクチド(35g、243mmol)、および、2−エチルヘキサン酸スズ(II)(0.05g、0.1mmol)を添加する。その容器を窒素気体で浄化する。その混合物を加熱し(150℃)、24時間の間撹拌し(320rpm)、その後環境温度に冷却する。その重合体を排出し、クロロホルム(2,000mL)中に溶解させる。メタノール(500mL)を添加し、その重合体を溶液から沈殿させる。その溶液を濾過し、その母液を無視する。その後、その固体重合体をクロロホルム中で再溶解させ、Teflon(登録商標)の皿へ注ぐ。]
[0146] 実施例2
化学式8aの重合体の合成
THF中に溶解させた重合体(典型的には、10mg/50ml)を、高圧の反応容器に入れる。その後、不活性気体(アルゴンおよび窒素を含むが、これらに限定されない)を、その容器を通じて浄化する。その後、溶媒中に溶解させた塩基(典型的には、メタノール中のナトリウムメトキシドまたはカリウムメトキシド)を過剰に(典型的には、110〜200%)添加する。その反応が発生するようにし、その容器をNO気体で浄化する。NO気体の圧力を増加させ(典型的には、少なくとも15psi)、その後、その反応混合物を少なくともさらに24時間の間撹拌する。ジアゼニウムジオレートの生成に必要な時間の終わりに、乾燥した疎水性溶媒(典型的には、ヘキサンまたはメチルtert−ブチルエーテル)を添加し、その重合体の沈殿を支援する。その後、その重合体を濾過し乾燥させる。]
[0147] 実施例3
ジアゼニウムジオレートの生成
THF中に溶解させた重合体(典型的には、10mg/50ml)を、高圧の反応容器に入れる。このステップでは、1つ以上の生物活性剤をその重合体溶液中に含む場合がある。その後、不活性気体(アルゴンおよび窒素を含むが、これらに限定されない)を、その容器を通じて浄化する。その後、溶媒中に溶解させた塩基(典型的には、メタノール中のナトリウムメトキシドまたはカリウムメトキシド)を過剰に(典型的には、110〜200%)添加する。その反応が発生するようにし、その容器をNO気体で浄化する。NO気体の圧力を増加させ(典型的には、少なくとも15psi)、その後、その反応混合物を少なくともさらに24時間の間撹拌する。ジアゼニウムジオレートの生成に必要な時間の終わりに、乾燥した疎水性溶媒(典型的には、ヘキサンまたはメチルtert−ブチルエーテル)を添加し、その重合体の沈殿を支援する。その後、その重合体を濾過し乾燥させる。]
[0148] 実施例4
移植可能な血管ステントの製造
例示的で限定されない目的のために、血管ステントを記載する。生体吸収性のNO供与重合体を、射出成形機の胴体部内で融解するまで加熱し、加圧下でステント鋳型の中に押し込む。その成形した重合体(ここで、ステントに似ており、ステントである)を冷却し凝固させた後、そのステントをその鋳型から取り出す。一実施形態では、そのステントは、第1端部および第2端部と、その第1端部と第2端部との間に配置した壁面とを有する、管状に成形した部材である。その壁は、編組様の実施形態に織り込んだ押出重合体単一フィラメントから成る。第2の実施形態では、そのステントを射出成形するか押し出す。その管の壁内で、開口部を成形、レーザー切断、打抜、または機械加工する。その編組したステントの実施形態では、ペレット化した後に乾燥した重合体材料から単一フィラメントを製作する。その後、その乾燥した重合体ペレットを押し出して粗い単一フィラメントを形成し、これを急冷する。その後、その押し出して急冷した未精製の単一フィラメントを、およそ0.01〜0.6mmの平均直径、好ましくはおよそ0.05〜0.15mmの平均直径を有する最終的な単一フィラメントに引き込む。その後、およそ10〜50本の最終的な単一フィラメントを、その用途のために適正に大きさを調整した編組マンドレルにおいて、約90〜170°の編組角度を有する編組状態で紡ぐ。その後、その編組したステントを、その編組マンドレルから取り出し、その編組マンドレルの直径以下の外径を有する焼鈍マンドレル上に配置し、その重合体のガラス転移温度の周辺とその重合体混合物の融解温度との間の温度にて、約5分〜約18時間の期間に、空気中、不活性雰囲気中、または真空下で焼鈍する。その後、そのステントが冷えるようにし、その後切断する。]
[0149] 実施例5
移植可能な血管ステントの被覆
クロロホルム中の、生体吸収性のNO供与重合体(実施例2から等)、および随意的に、ABT−578等の生物活性剤(一実施形態では、重合体中で、重量で70:30の薬剤比)の1%溶液を、血管ステント上に噴霧して乾燥するようにし、制御放出を引き起こしてその血管ステント上に被覆する。次に、圧延法、含浸法、噴霧法、および塗装法等の、しかしこれらに限定されない、当業者に知られている方法を用いて、その可溶化重合体を(添加した生物活性剤の有無にかかわらず)移植可能な医療機器の表面に塗布する。アルゴンまたは絶対乾燥窒素等の、しかしこれらに限定されない、温かい不活性気体の緩流下で過剰な重合体を除去する。高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)により、そのステントから溶媒への薬剤放出を測定する。]
[0150] 実施例6
重合体被覆血管ステント上におけるジアゼニウムジオレートの生成
実施例1からの少なくとも1つの重合体で被覆した血管ステントを、13mm×100mmのガラス試験管に入れる。メタノールまたはアセトニトリル中における、10mlの3%ナトリウムメトキシドをその試験管に添加し、その後、これを250mlのステンレス鋼のParr(登録商標)の装置に入れる。10気圧の窒素気体を用いた加圧/減圧の反復サイクル(10回)により、その装置を脱気する。次に、その容器は、30気圧のNOを用いた加圧/減圧の2回のサイクルを経る。最後に、その容器を30気圧のNOで満たし、室温で24時間の間放置する。24時間後、その容器からNOを一掃し、10気圧の窒素気体の反復サイクル(10回)を伴って加圧/減圧する。その試験管をその容器から取り出し、その3%ナトリウムエトキシド溶液を静かに注ぐ。その後、そのステントを10mlのメタノールで(1回)、10mlのジエチルエーテルで(3回)洗浄する。その後、そのステントをその試験管から取り出し、窒素気体流下で乾燥させる。この手順により、結果的にNO供与重合体被覆血管ステントになる。]
[0151] 例示的で限定されない目的のために、血管ステントを記載する。生体吸収性のC系NO供与重合体を、射出成形機の胴体部内で融解するまで加熱し、加圧下でステント鋳型の中に押し込む。その成形した重合体(ここで、ステントに似ており、ステントである)を冷却し凝固させた後、そのステントをその鋳型から取り出す。一実施形態では、そのステントは、第1端部および第2端部と、その第1端部と第2端部との間に配置した壁面とを有する、管状に成形した部材である。その壁は、編組様の実施形態に織り込んだ押出重合体単一フィラメントから成る。第2の実施形態では、そのステントを射出成形するか押し出す。その管の壁内で、開口部を成形、レーザー切断、打抜、または機械加工する。その編組したステントの実施形態では、ペレット化した後に乾燥した重合体材料から単一フィラメントを製作する。その後、その乾燥した重合体ペレットを押し出して粗い単一フィラメントを形成し、これを急冷する。その後、その押し出して急冷した未精製の単一フィラメントを、およそ0.01〜0.6mmの平均直径、好ましくはおよそ0.05〜0.15mmの平均直径を有する最終的な単一フィラメントに引き込む。その後、およそ10〜50本の最終的な単一フィラメントを、その用途のために適正に大きさを調整した編組マンドレルにおいて、約90〜170°の編組角度を有する編組状態で紡ぐ。その後、その編組したステントを、その編組マンドレルから取り出し、その編組マンドレルの直径以下の外径を有する焼鈍マンドレル上に配置し、その重合体のガラス転移温度の周辺とその重合体混合物の融解温度との間の温度にて、約5分〜約18時間の期間に、空気中、不活性雰囲気中、または真空下で焼鈍する。その後、そのステントが冷えるようにし、その後切断する。]
[0152] 他に示さない限り、原料の分量、分子量等の特性、反応条件、ならびに、本明細書および特許請求の範囲で用いられる他のものを表現する全ての数字は、全ての場合において用語「約」により修正されるものとして理解されたい。適宜、そうでない旨を示さない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に記載されている数値パラメーターは、本発明により得られるように試みられる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。最低限でも、かつ、本特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限する試みとしてでなく、報告した有効数字の数に鑑みて、かつ、通常の丸め手法を適用することにより、各数値パラメーターを少なくとも解釈されたい。本発明の広範な範囲を記載する数値範囲および数値パラメーターが近似値であるということにもかかわらず、特定の実施例に記載されている数値は、可能な限り正確に報告されている。しかしながら、任意の数値は、そのそれぞれの試験測定で見つかる標準偏差に必然的に起因する一定の誤差を固有に含む。]
[0153] 用語「一つの(a、an)」、「その/当該(the)」、および、本発明を記載する文脈内で(特に、以下の特許請求の範囲の文脈内で)用いられる同様の指示対象を、本明細書で他に示さないか、あるいは文脈により明らかに矛盾しない限り、単数形および複数形の両方を含めると解釈されたい。本明細書での値域の列挙は単に、その範囲に含まれる各別個の値を個別に指す簡略表記法としての役割を果たすことを目的としている。本明細書で他に示さない限り、各個別の値は、本明細書で個別に列挙されたかのように本明細書に組み込まれる。本明細書で他に示さないか、あるいはそうでなく文脈により明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で本明細書に記載されている全ての方法を実施することができる。ありとあらゆる例、または、本明細書で与えられる例示的文言(例えば、「〜等(の)」)の使用は、単に本発明をより良く解明することを目的としており、他に特許請求される本発明の範囲に制限を課さない。本発明の文言は何れも、本発明の実施にとって必須な任意の特許請求されない要素を示すものとして解釈してはならない。]
[0154] 本明細書で開示されている発明の代替的な要素または実施形態の集団を、制限として解釈してはならない。各集団の要素に言及し、これらを個別に特許請求し、あるいは、その集団の他の要素または本明細書で見つかる他の要素とあらゆる組み合わせを行うことができる。便宜および/または特許性の理由で、集団の1つ以上の要素を集団に包含するか、あるいは集団から削除することができることが予想される。任意のこのような包含または削除が起こる場合、本明細書は、修正された通りの集団を含み、それ故、添付の特許請求の範囲で用いられる全てのマーカッシュ集団の記述書を実現すると見なされる。]
[0155] 本発明を実施するための、本発明者に知られている最良の形態を含む、本発明の特定の実施形態が本明細書に記載されている。当然ながら、そうした実施形態における変化は、先行の記述を読む際に、当業者にとって明白となるだろう。本発明者は、当業者が必要に応じてこのような変化を使用することを予想し、本発明者は、本明細書に具体的に記載されている以外の形で本発明を実施することを目的としている。適宜、適用法令により認められる通りに、本発明は、本明細書に添付された特許請求の範囲で列挙されている主要部の全ての修正および均等物を含む。さらに、その全ての考えられる変化における上記要素の任意の組み合わせは、本明細書で他に示さないか、あるいはそうでなく文脈により明らかに矛盾しない限り、本発明によって包含される。]
[0156] その上、本明細書の全体にわたり、特許および刊行物に対して多数の参照が行われてきた。上の引用文献および刊行物のそれぞれは、参照することにより本明細書で全体として個別に組み込まれる。]
[0157] 締めくくりに、本明細書で開示されている発明の実施形態は、本発明の原理を例解するということを理解されたい。使用することができる他の修正は、本発明の範囲内にある。従って、例示の目的で、しかし制限の目的でなく、本明細書の教示に従って、本発明の代替的な構成を利用することができる。従って、本発明は、まさに図示および記載されているような発明に限定されない。]
权利要求:

請求項1
下記式7で表される、酸化窒素(NO)を放出する、生体適合性で、生分解性の重合体を含む医療機器:(式中、mは0または1であり;nは0〜10であり;pは0または1であり;oは0〜10であり;mまたはpが0である場合、R1、R2、R5、R6はそれぞれ互いに独立して、水素、C1〜C6アルキル基又はジアゼニウムジオレートであり、mまたはpが1である場合、R3、R4、R7、R8は互いに独立して、水素またはジアゼニウムジオレートであり、R1〜R8のうち少なくとも1つはジアゼニウムジオレートでなければならない。)
請求項2
前記重合体が、ε−カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、2−アセチルブチロラクトン、化学式10、4−tert−ブチルカプロラクトン、N−アセチルカプロラクトン、シクロヘキシルカプロラクトン、ラクチド、グリコリド、p−ジオキサノン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、およびリン酸エステルから成る群から選択される単量体を含む、請求項1に記載の重合体。
請求項3
前記ジアゼニウムジオレート基が、ナトリウム、カリウム、プロトン、およびリチウムから成る群から選択される対イオンによってさらに安定化されている、請求項1に記載の重合体。
請求項4
前記医療機器が、移植可能であり、かつ、血管ステント、シャント、血管移植片、ステント移植片、心臓弁、カテーテル、ペースメーカー、ペースメーカーリード、胆管ステント、および除細動器から成る群から選択される、請求項1に記載の医療機器。
請求項5
前記重合体が、抗増殖剤、エストロゲン、シャペロン阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤、レプトマイシンB、ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体ガンマリガンド(PPARγ)、ハイポセマイシン、酸化窒素、ビスフォスフォネート、上皮成長因子阻害剤、抗体、プロテアソーム阻害剤、抗生物質、抗炎症剤、アンチセンスヌクレオチド、および形質転換核酸から成る群から選択される少なくとも1つの薬剤をさらに含む、請求項1に記載の医療機器。
請求項6
前記生分解性の重合体が、下記一般式8aで表される化合物を含む請求項1に記載の医療機器:(式中、aは1〜約20,000の整数であり;bは約1〜約100の整数であり;aおよびbの合計は少なくとも2であり;A1〜A5は個別に、水素、C1〜C6アルキル基、またはジアゼニウムジオレート基であり、A1〜A5のうち少なくとも1つはジアゼニウムジオレートでなければならない。)
請求項7
前記生分解性の重合体が、下記一般式9aで表される化合物を含む請求項1に記載の医療機器:(式中、aは1〜約20,000の整数であって、bは約1〜約100の整数であって、aおよびbの合計は少なくとも2であって、A1〜A6は個別に、水素、C1〜C6アルキル基、またはジアゼニウムジオレート基であり、A1〜A6のうち少なくとも1つはジアゼニウムジオレートでなければならない。)
請求項8
前記生分解性の重合体が、下記式10aで表される化合物を含む請求項1に記載の医療機器:式中、aは1〜約20,000の整数であって、A1〜A4は個別に、水素、C1〜C6アルキル基、またはジアゼニウムジオレート基であり、A1〜A4のうち少なくとも1つはジアゼニウムジオレートでなければならない、請求項1に記載の医療機器。
請求項9
前記生分解性の重合体が、下記式11aで表される化合物を含む請求項1に記載の医療機器(式中、aは1〜約20,000の整数であって、bは約1〜約100の整数であって、aおよびbの合計は少なくとも2であって、A1〜A5は個別に、水素、C1〜C6アルキル基、またはジアゼニウムジオレート基であり、A1〜A5のうち少なくとも1つはジアゼニウムジオレートでなければならない。)
請求項10
前記生分解性の重合体が、下記式12aで表される化合物を含む請求項1に記載の医療機器:(式中、aは1〜約20,000の整数であって、A1〜A4は個別に、水素、C1〜C6アルキル基、またはジアゼニウムジオレート基であり、A1〜A4のうち少なくとも1つはジアゼニウムジオレートでなければならない。)
請求項11
前記生分解性の重合体が、下記式13aで表される化合物を含む請求項1に記載の医療機器:(式中、aは1〜約20,000の整数であって、bは約1〜約100の整数であって、aおよびbの合計は少なくとも2であって、A1〜A6は個別に、水素、C1〜C6アルキル基、またはジアゼニウムジオレート基であり、A1〜A6のうち少なくとも1つはジアゼニウムジオレートでなければならない。)
請求項12
カルボニル基に隣接する炭素に結合した少なくとも1つのジアゼニウムジオレート基を有する、酸化窒素(NO)を放出する、生体適合性で、生分解性の重合体を含む、医療機器。
請求項13
前記重合体が、ε−カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、2−アセチルブチロラクトン、化学式10、4−tert−ブチルカプロラクトン、N−アセチルカプロラクトン、シクロヘキシルカプロラクトン、ラクチド、グリコリド、p−ジオキサノン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、およびリン酸エステルから成る群から選択される単量体を含む、請求項1に記載の重合体。
請求項14
前記ジアゼニウムジオレート基が、ナトリウム、カリウム、プロトン、およびリチウムから成る群から選択される対イオンによってさらに安定化する、請求項1に記載の重合体。
請求項15
前記医療機器が、移植可能であり、かつ、血管ステント、シャント、血管移植片、ステント移植片、心臓弁、カテーテル、ペースメーカー、ペースメーカーリード、胆管ステント、および除細動器から成る群から選択される、請求項1に記載の医療機器。
請求項16
前記重合体が、抗増殖剤、エストロゲン、シャペロン阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤、レプトマイシンB、ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体ガンマリガンド(PPARγ)、ハイポセマイシン、酸化窒素、ビスフォスフォネート、上皮成長因子阻害剤、抗体、プロテアソーム阻害剤、抗生物質、抗炎症剤、アンチセンスヌクレオチド、および形質転換核酸から成る群から選択される少なくとも1つの薬剤をさらに含む、請求項1に記載の医療機器。
請求項17
前記生分解性の重合体が、下記式8aで表される化合物を含む請求項1に記載の医療機器:(式中、aは1〜約20,000の整数であって、bは約1〜約100の整数であって、aおよびbの合計は少なくとも2であって、A1〜A5は個別に、水素、C1〜C6アルキル基、またはジアゼニウムジオレート基であり、A1〜A5のうち少なくとも1つはジアゼニウムジオレートでなければならない。)
請求項18
前記生分解性の重合体が、下記式9aで表される化合物を含む請求項1に記載の医療機器:(式中、aは1〜約20,000の整数であって、bは約1〜約100の整数であって、aおよびbの合計は少なくとも2であって、A1〜A6は個別に、水素、C1〜C6アルキル基、またはジアゼニウムジオレート基であり、A1〜A6のうち少なくとも1つはジアゼニウムジオレートでなければならない。)
請求項19
前記生分解性の重合体が、下記式10aで表される化合物を含む請求項1に記載の医療機器:(式中、aは1〜約20,000の整数であって、A1〜A4は個別に、水素、C1〜C6アルキル基、またはジアゼニウムジオレート基であり、A1〜A4のうち少なくとも1つはジアゼニウムジオレートでなければならない。)
請求項20
前記生分解性の重合体が、下記式11aで表される化合物を含む請求項1に記載の医療機器:(式中、aは1〜約20,000の整数であって、bは約1〜約100の整数であって、aおよびbの合計は少なくとも2であって、A1〜A5は個別に、水素、C1〜C6アルキル基、またはジアゼニウムジオレート基であり、A1〜A5のうち少なくとも1つはジアゼニウムジオレートでなければならない。)
請求項21
前記生分解性の重合体が、下記式12aで表される化合物を含む請求項1に記載の医療機器:(式中、aは1〜約20,000の整数であって、A1〜A4は個別に、水素、C1〜C6アルキル基、またはジアゼニウムジオレート基であり、A1〜A4のうち少なくとも1つはジアゼニウムジオレートでなければならない。)
請求項22
前記生分解性の重合体が、下記式13aで表される化合物を含む請求項1に記載の医療機器:(式中、aは1〜約20,000の整数であって、bは約1〜約100の整数であって、aおよびbの合計は少なくとも2であって、A1〜A6は個別に、水素、C1〜C6アルキル基、またはジアゼニウムジオレート基であり、A1〜A6のうち少なくとも1つはジアゼニウムジオレートでなければならない。)
請求項23
下記式7で表される構造をさらに含み、カルボニル基に隣接する炭素に結合した少なくとも1つのジアゼニウムジオレート基を有する、NOを放出する、生体適合性で、生分解性の重合体を含む血管ステントであって、前記生分解性の重合体がさらにゾタロリムスを含む、前記血管ステント。(式中、mは0または1であり;nは0〜10であり;pは0または1であり;oは0〜10であり;mまたはpが0である場合、R1、R2、R5、R6はそれぞれ個別に、水素、C1〜C6アルキル基、ジアゼニウムジオレートであり、mまたはpが1である場合、R3、R4、R7、R8は個別に、水素またはジアゼニウムジオレートであり、R1〜R8のうち少なくとも1つはジアゼニウムジオレートでなければならない。)
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